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行雲流水
2013年6月24日(月)22:25

「スマホ依存症」(行雲流水)

 ケータイ(携帯電話)の便利さは、この上ない。公衆電話も少なくなったので、旅行中の連絡等には威力を発揮する。しかし、特に青少年にとって、使い過ぎにはいろいろな問題があるようである


▼京都大学霊長類研究教授の正高信男は、ケータイにのめり込んだ青少年を「ケータイを持った猿」だと揶揄した。彼らは常にケータイを身につけ、メールをやり取りして、仲間であることを確かめるだけで、猿が声を発して互いの所在を確認することに似ているというわけである

▼柳田邦男は『壊れる日本人』の中で指摘する。ケータイ・ネットと効率主義が心と言葉の崩壊をもたらしている。きめ細かい表現を特徴とするフランス語も、豊かな感情表現を持つ日本語もともに侵食され劣化している

▼現在、ケータイはパソコンの機能を併せもったスマホ(スマートフォン)に進化、若者は一層強く引きつけられている。それが高じると「スマホ依存症」になる。スマホが手元にないと落ち着きがなくなり、注意力が散漫になる。入眠前の利用による刺激で不眠症になる。ゲーム等の仮想現実にのめり込むと、傾向として、現実の人間関係を希薄にし、自己中心的になる

▼韓国の研究では、スマホを利用する青少年の3割は依存症にかかっている。特に家庭での人間関係の崩れや、過度の競争によるストレスがあると、その逃避行動として依存度を高める

▼現実生活の充実こそが大切である。道具の奴隷にならないよう、スマホとはよいスタンス(構え、距離)を保ちたい。(空)

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