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2013年7月23日(火) 9:00

「歴史に学ぶ」(行雲流水)

 「歴史とは、現在と過去の対話である」と言われる


▼1609年侵攻により琉球王国は薩摩藩に支配され、薩摩への税負担等のため財政的に困窮した王府は1637年より260年余にわたって宮古・八重山に過酷な人頭税を課した。琉球処分(廃藩置県)後も琉球士族への懐柔策として明治政府は当初「旧慣温存」政策を続け、支配層のために被支配層への過重な税負担を続けた



▼琉球処分の翌年には「分島問題」が表面化した。これは、清国に対して、西欧並みの最恵国条項と引き換えに、宮古・八重山を清国にゆずるという日本側の案であった(幸いこの案は立ち消えになった)。国の経済的利益のためには、辺境の地宮古・八重山を切り捨ててもいいという明治政府の姿勢であった


▼太平洋戦争末期、沖縄は国内で唯一の地上戦の舞台となり、惨禍を極めたが、この戦争で沖縄は「本土防衛を目的に、時間かせぎのための捨て石」にされた。そのうえ、サンフランシスコ条約によって、施政権を切り離され、戦後の27年間、米国の統治下に置かれ、米軍基地は増強された


▼これらの歴史事象に一貫して流れているのは大きいもの、強いものの利益のためには小さいもの、弱いものを犠牲にしてもやむを得ないという考えである


▼従って、人頭税廃止運動に立ち上がった宮古住民の請願活動も、かつての復帰運動も、反基地や反TPP運動も根はひとつ。不条理に対する正義の闘いである。そこには、歴史に学ぶ県民の叡智と、未来を切り開くための気概がある。(空)