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行雲流水
2013年8月6日(火)9:00

「核兵器の廃絶」(行雲流水)

 68年前の1945年8月6日広島に、9日長崎に原子爆弾が投下され、一瞬にして街は壊滅的打撃を受け、多くの人命が失われた


▼その惨状に、日本政府は10日、スイスを通して次のような抗議文を米国政府に提出した。「無差別、残虐性を有する本件爆弾を使用せるは人類文化に対する罪悪で、全人類および文明の名において糾弾する」

▼ヤルタ会談で決まっていたソ連の対日参戦の前に日本を降伏させ、戦後政治で主導権を得たいという米国の意図が原爆投下にはあったと言われている

▼朝鮮戦争のとき、マッカーサー総司令官は、北朝鮮を支援する中国に原爆を投下することをトルーマン大統領に申請した。しかしトルーマンは、第3次大戦に発展する危険があるということで反対した。「キューバ危機」でも核戦争の瀬戸際に立つ危機があった

▼核保有国が増え、水爆実験競争が激化する中で、核廃絶の世論は高まっていく。そのひとつ「ラッセル・アインシュタイン宣言」が発表され、核廃絶と科学技術の平和利用を訴えた。また、広島、長崎で原水爆禁止世界大会が開催された。ここ宮古でも「8・6」大会と称して、集会と平和行進が行われた

▼現在、多くの国が核を保有しており、50メガトンの水爆になると広島型原爆の3300倍の威力を持つ。オバマ大統領の「核なき世界」の理念に多くが共感するが、力の論理が世界を支配している限り実現は容易ではあるまい。しかし世界の世論が核戦争をかろうじて阻止してきたこともまた事実である。(空)

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