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行雲流水
2013年10月10日(木)9:00

「地域の課題」(行雲流水)

 市町村合併から8年。「もう8年」か「まだ8年しかたっていない」か、受け止め方はさまざまだ。合併に伴う意識改革は一朝一夕にはできないようだ

▼自治体が抱えている大局的な懸念材料は何か-信金中央金庫が調査した結果がある。全国と沖縄が際立って違うのは、全国の「高齢化の進行」「人口の減少」に対し、沖縄は「雇用環境の悪化」「地域コミュニティーの関係希薄化」を挙げている点だ(9月3日付琉球新報)

▼この調査は信金営業地域545自治体を対象にしたもの。沖縄では13自治体が回答。コザ信金支店のない宮古島市だが、傾向は13自治体とほぼ似ているものと思われる

▼あえて言えば、離島ゆえの悩みが反映されていない憾みがある点だ。人や物の交流コストが高いことなどだ。離島の〝特殊事情〟から派生する問題こそ悩みの種なのだが。とはいえ宮古島における雇用環境改善策は、産業振興と人材育成しかない

▼他方、合併に伴うコミュニティー関係希薄化への対処策は、一筋縄では行きそうもない。合理性を重視する都市的思考、運命共同体意識が強い農村的思考。二つの考え方の葛藤は、人類がたどってきた歴史とも重なる。「変化への適応」と「少数派への配慮」はあざなえる縄の如し、だ

▼現実には、悩ましい選択を迫られる場面に多々遭遇する。現状維持(安逸、停滞)か改革(挑戦、向上)か。制度の仕組みや生活の仕方の変化ばかりでなく、心情が揺れる。成熟社会を築くためには、葛藤と妥協のらせん階段を根気強く上って行くしかないようだ。(柳)

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