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行雲流水
2013年10月26日(土)9:00

「懸念される地下水」(行雲流水)

 精肉店、鮮魚店、スーパーには元の姿を想像することすらできないほどに人の手が入った肉や魚がならぶ。魚は自分で捌く煩わしさと楽しみはあるが、肉はそうはいかない。店先のものを手軽に買う

▼肉を提供するのが食肉センターだ。法律上は「と畜場」と言われる。と畜場で食肉にされるのは牛、馬、豚、山羊、羊5種類の動物だけだ。これら大型動物がどのような経路をたどって食肉となって私たちの手元に届くか、豚を例にのぞいてみる

▼と畜場に連れ込まれた豚は体をきれいに洗われて、獣医師の生体検査を受ける。そのあとは、ひどい話になるので省くが要するに解体され肉になる。この作業が終わるまでに大量の水が使われるのは、魚を捌いたことのある人なら想像もつくだろう。大量の汚水が出るのだ

▼と畜場の汚水は水質汚濁防止法に定める基準で処理されるから地下浸透しても支障はないと当局は考えているようだが、汚染物質がゼロになるわけではなく石灰石に付着し残留・蓄積するのではないのか。地下水の汚染が顕在化するのは10年、20年あるいは50年後かもしれない。そうなってはもう手遅れだ

▼市長は「懸念は懸念として分かる」と言われたようだが、この小さなサンゴ石灰岩の島の将来に関わるような「懸念」は払しょくできることではない「懸念」されるものを子や孫に残すべきでなないと思う

▼と畜場が都市施設として必要だとしても、建設場所が上野野原でなければならない理由はないはずだ。法律の解釈や手続が問題にされているのではない。良識を問われているのだ。(凡)

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