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行雲流水
2013年10月31日(木)9:00

「トリクルダウン効果」(行雲流水)

 大企業や富裕層に対する支援策を行うことで経済活動は活性化し大企業や富裕層が得た利益は次第に低所得層に流れ落ちて国民全体の利益になるという経済理論

▼「トリクルダウン効果」とも言われるこの理論は富裕層からしたたり落ちる富にあずかっての経済活性化ゆえ〝おこぼれ経済論〟との皮肉も浴びるが…

▼安倍首相が昨今しきりに強調するアベノミクスの「三本の矢」は実はこの「トリクルダウン効果」を根拠にしていると指摘されている。この論で格差が拡大した韓国の例を挙げわが国経済や社会構造の行く先に不安を感じるという経済学者や評論家は少なくない

▼大企業の営業利益がよくなれば従業員の賃金は上がり消費活動は連動して活発になる。消費活動が活発になれば結果として日本経済は好転する-というアベノミクスの図式は必ずしも有効ではないというのである

▼円安・株高で輸出競争力をつけた大企業の多くは為替差益等で増収増益だと勢いづいているが営業利益が従業員の賃金上昇に還元される保証は何もなくボーナスなど一時金としてその場限りの待遇となるだけ

▼利益の大半は「内部留保金」(現在270兆円)として社の〝へそくり〟に回される。賃金に還元されるとしてもわが国労働者の7割強は中小零細企業の従業員で大企業の営業利益とは無縁で待遇改善は見込めそうにない

▼国や地方の公務員給与も抑えられており年金支給も大幅減額された。その上消費税増税である

▼ノーベル経済学賞受賞のポール・クルーグマン氏は指摘する-「消費税増税は日本経済復活のために何のプラスにもならない」と。

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