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行雲流水
2013年12月14日(土)8:55

「特定秘密保護法」(行雲流水)

 昨年の12月、「決められない政治」の批判を受けて民主党野田政権は衆議院を解散。総選挙になった。結果、自民党の歴史的な勝利で安倍内閣が誕生して1年。自民党は夏の参議院議員選挙でも圧倒的な議席を確保。国民は国の政策決定権を自民党に委ねたわけだ


▼12月、安倍内閣は国家機密を守る法案を国会に提出し政界は言うに及ばず言論・法曹・大学・その他もろもろの団体、個人の批判を受けながらも怯むことなく、法案を採決に持ち込んだ。「乱暴な国会運営」とのそしりを受けながらの特定秘密保護法の採決である

▼秘密法は「知る権利の侵害」だとメディアは廃案を求めたが政治の場で退けられたことになる。自民党は「決められる政治」を国民に示したといえるだろう

▼法案が成立したことでメディアは公務員が委縮して情報を提供しなくなる、それでは国民の知る権利が奪われるものだと一般公務員に情報提供の義務があるかのような論調も見られるが、それはジャーナリズムの傲りだ。一般公務員には守秘義務が課されているのだからやたらに情報提供はできない

▼1971年、沖縄の祖国復帰に絡んでの外務省機密漏えい事件で取材記者は外務省事務官から得た情報を報道する前に対立する政党の議員に渡した。生の情報を政治の舞台に投げたのである。そのために情報源となった事務官の人生は蹂躙された。このことを忘れて法律ができて公務員が情報を提供しなくなるといった論調はいかがなものか。

▼ジャーナリストは一般公務員に情報を求めるのでなく、政治家に求めるのが筋ではないのか。ジャーナリズムの真価が問われるのはこれからだ。(凡)

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