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【特集】新年号
2014年1月1日(水)8:50

全国、県平均も下回る/「全国学力・学習状況調査」

求められる生活習慣の改善/古島市の小学校

 昨年、小学6年生と中学3年生を対象に実施された2013年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)では、総合で全国最下位の沖縄県の中で宮古島市の小学校平均は国語A、Bと算数A、Bとも県平均をも下回った。

 この学力テストは、児童生徒の学力の状況について把握・分析し、これに基づく指導方法の改善を図ることなどが狙い。

 テストは小、中学校ともに国語、算数・数学の2教科で、知識を問うA問題と、活用力に関するB問題が出題される。算数・数学の活用力テストでは、方程式などの数式を効果的に使えるかどうかが試された。

 宮古島市の平均正答率をみると、小6は算数Aが最も高く71・1%、正答率が最も低い教科は国語Bの41・8%だった。

 全国平均と比べて差が大きいのは算数Bの9ポイント(県平気との差5ポイント)、国語Bでも7・6ポイント(同3・7ポイント)の差がついた。

 一方、中学校で正答率が高かったのは国語Aの69・7%、最も低い正答率は数学Bの29・9%だった。全国平均と比べ数学Aで9・7ポイント、同Bで11・6ポイントの大きな差がついている。

 小6、中3ともに知識の活用力が試される「B」の正答率が低く、全国平均との差も大きくなっている。

 小学校では全国平均、県平均とも下回ったが中学校では国語B以外は県平均を上回っている。しかし、全国平均と比べると小学校よりもその差は広がっている。

 昨年月に「家庭教育と学力」のテーマで行われた市教委主催の第2回教育講演会では、琉球大学の西本裕輝准教授が講話した。

 その中で西本准教授は、沖縄の現状について「沖縄の家庭教育力は低い。基本的な生活習慣の乱れが低学力の原因」と指摘した。

 宮古島市の学力向上に向けては、子どもたちが基本的な生活習慣を早期に身につけることが大切で、そのために家庭で取り組むべきことや保護者の教育に対する自覚を呼び掛けた。

 学力向上に向けた具体的な取り組みとしては▽基本的生活習慣を早い段階で身につける▽子どもの学力が低いのは子ども自身の責任ではないことを自覚する▽学校への車での送迎をやめる▽集団登校を導入する▽夜8時以降の飲食店(居酒屋等)への子連れでの入店を禁止する-を提言した。

 学力向上に向けた取り組みは、教育行政だけでなく学校現場、地域、家庭が一体となった取り組みが求められている。

 また、子どもたちの生活習慣と学力が密接にかかわっていることも指摘されている中で、家庭の中で行う小さな改革こそ学力向上の起点となるかもしれない。

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