沖糖、平均糖度14・5度
高糖度、最高の滑り出し/24年ぶりに年内操業開始
沖縄製糖宮古工場の2014-15年期製糖操業が19日、始まった。年内に開始するのは24年ぶり。初日のサトウキビ搬入量は1217㌧、平均糖度は14・5度の高糖度となり、基準の糖度(13・1~14・3度)帯を上回る最高の滑り出しとなった。今期の原料(サトウキビ)搬入量は前期比1万4000㌧増の15万㌧を見込んでいる。同工場の操業は3月中旬まで続く。
沖糖管内における今期の収穫面積は1980㌶。台風の被害が少なかったことや、生育旺盛期の5月から8月に適度な降雨に恵まれて順調に生育した。9~10月の少雨傾向も最小限の被害で食い止めた。
操業初日は午後4時まで原料を搬入した。沖糖管内の平良と下地地区からサトウキビを載せたトラックが次々と工場入りし、所定の場所に荷を下ろした。
同工場がまとめた初日の搬入概況によると、糖度区分別構成比は基準糖度以上の原料が全体の52%を占めている。基準糖度帯内の原料は38%、基準糖度以下の原料はわずか10%で、24年ぶりとなる年内操業は最高のスタートを切った。
沖糖は今期、86日前後の操業期間を予定。歩留まりは12・86%を目標とし、砂糖生産量は前期に比べて2600㌧多い1万8420㌧を予想している。
搬入に先立って行われた操業開始式には行政や糖業関係者多数が出席し、沖糖の年内操業開始を祝うとともに、期間中の高品質取引に期待を込めた。
沖縄製糖の砂川玄悠専務は「年内操業は、原料が15万㌧に回復したことと早熟の奨励品種が普及したことで実施できた」と年内に開始する要因を語った。その上で「糖業振興で地域経済の発展につなげられるよう社員一丸となり、安全作業を最優先にし、年内操業の成果、効果を発揮できるよう務めたい」と述べた。
下地敏彦市長は年内操業を歓迎。「年内に開始することで複合的にいろいろな作物を作れる。そうすると農家所得が上がる。このような好循環の農業の実践に向けてきょうがその第一歩になる。無事故無災害の操業を祈念する」と述べた。
続いてあいさつした県宮古農林水産振興センターの前田幹男所長(代読)も年内操業を喜びながら「県としては、今後も生産農家の皆さんが安心してサトウキビ栽培を続けていけるように関係機関と連携し、基盤整備、機械化の推進、病害虫防除、担い手の対策に積極的に取り組みたい」などと糖業振興を誓った。
宮古島市議会の真栄城徳彦議長、JAおきなわ宮古地区本部の新城武一郎本部長、宮古地区トラック事業協同組合の奥濱貞夫理事長は乾杯の音頭を取って沖糖の操業開始を祝った。