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行雲流水
2015年10月15日(木)9:01

【行雲流水】「TPP交渉妥結」

 TPP交渉が大筋合意に達した。宮古の基幹作物サトウキビの将来がかかっていただけに、現行「糖価調整制度」が維持できたことを喜びたい。キビ交付金(1万6420円/㌧)の財源は確保された


▼輸入精製糖に課す関税等は従来どおり(関税21・5円/㌔+調整金57・4円/㌔)、粗糖についても従来どおり(21・5円/㌔+42・4円/㌔)認められた

▼ただし一部の高糖度原料糖については「0円/㌔+39・0円/㌔」となった。が、「精製用に限る」との条件つきだ。精製用の輸入割当権は農水省が握っており、輸入量が野放図に伸びる心配はないであろう

▼加糖調製品、たとえば「砂糖と粉乳等を混ぜたもの」の低関税割り当て数量は1年目1万500㌧(関税29・8%)、11年目1万2300㌧(関税17・9%)となった。が、過去3年間の輸入実績は年平均9万㌧(うちTPP参加国7万4000㌧)であり、輸入先がTPP参加国にシフトするだけだ

▼概して、当初の懸念は払拭(ふっしょく)された。とはいえ、潜在的な消費者圧力は残るので、サトウキビ農家の不安も残る。関税や調整金に依存した農業振興策から脱皮する〝農政転換〟が迫られているのも確かだ。そのなかで、宮古の農業改革が論じられるかもしれない

▼サトウキビは台風に強い作物として、特に離島では重視されてきた。これに代わる付加価値の高い作目への転換が可能かどうか、台風対策のための研究開発投資がなされるかどうかなど、今後の農政展開を注視していきたい。

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