新品種の特性共有/キビ栽培講習会
種苗確保の重要性も再認識
上野公民館で19日、サトウキビ栽培講習会が開かれた。上野地区の生産農家ら約30人が参加し、優良種苗確保の重要性や新しい品種の特性について理解を深めた。「農林号」に認定される可能性が高い「RK97-14」は、3作型で農林8号より茎重や可製糖量に優れるという報告があった。
栽培講習会は、上野地区さとうきび生産組合が主催した。増産につなげることが狙いで、JAさとうきび対策室が協力した。
県宮古農林水産振興センター農業改良普及課の下地善郎さんは、種苗確保の重要性について語った。
県が市町村と連携して実施している優良種苗安定確保対策事業を紹介し、無病で害虫被害のない健全な苗の導入、更新を勧めた。
農業研究センター宮古島支所研究員の荷川取佑記さんは、宮古地区のキビ栽培の現状として品種の偏りがあると指摘した。
農林27号の使用率が全体の71%に達していることを踏まえ、多様な品種構成および新品種の推奨が必要だとする考えを示した。品種が偏ると病気が一気に広がる可能性があるためだ。
その上で注目される「RK97-14」の特性などを説明した。発芽性は農林8号と同等で高く、萌芽性はやや低いと紹介した。登熟は早く、初期伸長は農林8号より良い。1茎が長く、太いのが特徴だという。
夏植えの時期については9月が適し、次いで10月が向くと助言した。8月も収量性は高いが、キビが倒れやすい。11月は収量が下がるとして注意を促した。