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行雲流水
2017年7月18日(火)9:01

【行雲流水】(ファインマンさん)

 自由奔放、天才物理学者ファインマンの生き方が面白い。彼は小学生の頃、独学で微積分を理解した。新婚旅行での暇つぶしに、マヤ文明の暗号を世界で初めて解読した。1965年には、量子電磁気学の発展に寄与したことでノーベル物理学賞を受賞している


▼彼は書く。「数学や物理学というのは、神様のやっているチェスを横から眺めて、そこにどんなルールがあるのか、どんな美しさがあるのか、探していくことだ」。そして探究することはそれが「ただ楽しいからなんだ」

▼彼の好奇心は多彩である。花の美には、細胞の複雑な働きなどを想像して畏敬の念を深める。「脳の中の原子は絶えず入れ替わっているのに、1年前僕の頭の中に起こったことをちゃんと覚えている」と驚く。一片の波にも詩を感じている。「波が打ち寄せてくる/膨大な数の分子が互いに何億万と離れて/勝手に存在しているというのに/それが一斉に白く泡立つ波をつくる」

▼関心を持ったものは納得のいくまで探究するが、「知識が増えればもっと不思議な謎が姿を現す」と、あくまでも自然の深奥に対して謙虚である

▼好奇心は自由に翼を広げる。ボンゴドラムをたたいて友人を楽しませ、絵は個展を開いている。金庫破りの腕もあり、鍵を失くした友人は彼を頼りにした

▼「人間精神の最高の形は「笑い」と「人間愛」であるという母の言葉が彼の中で生きている。彼は言う。「願わくば、われわれが疑問を持つことを、不確かであることを許してほしい」。ただ、「自由であることを!」

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