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行雲流水
2017年9月21日(木)9:01

【行雲流水】(生涯学習)

 昔、宮古島の中学校の修学旅行は離島巡り(伊良部島、池間島)、離島の中学校は本島巡り(宮古島)だった。2泊3日のいわば〝海外〟視察だ。この目で見える世界「宮古」を中心に地球はまわっていた


▼長じて、「島国育ちの〝自己チュウ〟(独善)」に気づく。例えば、大都会では信号灯一つで人や車の流れが秩序づけられている。島での随意気ままな「自由」は通用せず、ものの見方・考え方を変えざるをえない。「優れたものが生き残るのではない。環境に適応したものだけが生き残る」(ダーウィン〝進化論〟)

▼日本も島国だ。事情は似ていた。わき目もふらずに働いて戦後復興を成し遂げ、初めて海外へ出かけた日本人観光団は〝ひんしゅく〟を買った。日本の常識は世界の非常識だったのだ

▼中国人観光客のマナーの悪さを見聞きするにつけ、怒りよりも憐憫の情をもよおす。国境も情報も鎖国状態にあった中国だ。経済の改革開放に成功した今、初めて外国へ物見遊山に出かけたらどうなるか

▼復帰後の宮古は、情報環境が格段に良くなった。リアルタイムで世界が見える。人の交流も盛んだ。「共生」の大切さも、仕事上の知見も容易に習得できるようになった。昔の「井の中の蛙」ではない

▼「今も残るミャーク式独善」を全国版テレビで放映されたのでは、宮古島市民の立つ瀬がない。観光産業の発展には、明朗で公正な社会環境が必要だ。観光客にストレスが残れば、将来の展望は開けない。かつて謳われた宮古人気質「進取の気性」は、今も健在だと思いたいのだが。

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