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2020年3月29日(日) 8:54

【インサイドリポート】大幅減産 原因どこに/19-20年産サトウキビ

地力か、気象か…現場混乱


 今期(2019-20年)サトウキビの不作が色濃い。ここまで沖縄製糖宮古工場、宮古製糖城辺工場、多良間製糖工場が搬入を終えたが、累計の搬入量は21万㌧余。4月上旬に終える宮糖伊良部工場の原料を合わせても地区全体で27万㌧に届くかどうかだ。減産の要因は特定できていない。地力か、気象条件か、あるいは管理不足か-。生産現場の混乱は続く。

 

 

 ■見込み違い


 昨夏、複数の台風に見舞われた。強風で葉がちぎれ、生育が鈍化した。ただ、折損被害が少なく大事には至らないと思えた。秋口になると青葉も回復し、その後はぐんぐん伸びた。
 サトウキビの長さ、太さに問題はない。事前の生産量調査で「これならいける」と製糖各社は踏んだ。予想した収量は計29万6000㌧。「30万㌧台に達するのでは」という見立てもあった。
 だが、搬入が始まると当てが外れた。「原料が軽い」。運搬トラックに積載されたサトウキビの見た目と実際の収量が合致しなかった。これには生産農家も過敏な反応を示す。「工場が間違っているのではないか」。そんな不審とも取れる声が広がった。
 製糖各社は生産見込み量を下方修正した。地区全体で27万2500㌧。当初の見込み量を2万3500㌧下回る収量になった。


 ■減産要因


 減産の要因は特定できていないが、糖業関係者は過去の傾向と照らして思考を巡らせている。
 今期のサトウキビは総じて糖度が高い。このため、サトウキビが含む水分が少ないのではないかという見方がある。だから軽い。その一方で台風の強風で揺さぶられた根が浮き上がり、サトウキビの水分吸収力が低下したのではないかという分析も。これは搬入物に根株が目立ったことを根拠とする論理だ。ほかに暖冬で水分が蒸発した説を唱える関係者もいる。
 株出しの管理不足もささやかれる。ただ、減産は全作型で見られることから要因の一つになり得ても断定はできない。
 熟度の早さを指摘する声もあった。例年は収穫期最終盤の4月以降に見られる葉の色落ちが2月の下旬から出始めた。色落ちは過熟の表れだといい、「サトウキビに元気がない」と評したが、減産との直接的な因果関係は不透明だという。
 これらの要因が複合的に絡んだのか。いずれにしても現段階では推測の域を出ていない。今期の減産は全県的な傾向とされている。研究機関による科学的知見に基づく対処法が待たれる。


 ■地力回復へ


 生産現場では何ができるのか。製糖工場は地力の増強を叫ぶ。機械刈りが主流となった今、手刈りならほ場に残る梢頭部や葉(トラッシュ)が工場に運ばれ、これが地力低下の要因の一つと考えられているためだ。
 この課題に対応しようと市が土づくりを事業化した。トラッシュを工場からほ場に戻す運搬費の一部を補助する仕組みを設けた。各地のほ場が持つ本来の地力を取り戻し、増産を狙う。
 2月下旬、市側との面談で宮古製糖の安村勇社長は「減産の原因究明は必要だが、地力回復も欠かせない」と重要性を認める。沖縄製糖の仲里典和工場次長も「土づくりは必須になる」と市の新たな事業を歓迎した。
 両工場の主張の背景には、生産量の減少を憂う現場の苦悩がある。今期の減産にスポットが当たる中、ここ数年で顕著に表れている生産力の低下は見過ごせない。大豊作だった16-17年産の43万5563㌧から17-18年産は32万1893㌧、18-19年産は29万3248㌧と減少し、19-20年産はさらに落ち込むことが確実となっている。
 この悪い流れを止める有効な手段として地力の増強がある。加えて生産農家の高齢化対策の軸となる作業受委託の促進など、生産体制を強化する場面で糖業関係者の経験と英知を生かしたい。

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