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社会・全般
2009年2月3日(火)18:24

「みやこ学園」島中を花いっぱいに

みやこ学園「園芸・出向班」
 
冬でも花いっぱいの宮古島。城辺線の中休み前花壇や西城中前花壇、下地線のバイパス通りなど、サルビアやマリーゴールド、ペチュニアなど色とりどりの花が道行く人を楽しませている。植栽にあたったのは、みやこ学園の園芸・出向班。県と市からの委託作業で行われているが、本格的な土づくりから植え付けまで、利用者と職員が力をあわせて取り組んでいる。
 
 
 障がい者自立を目指し一九九九年、みやこ福祉会が設立された。二年後に社会福祉法人として認可され、その年、知的障害者通所授産施設として、鏡原の通称山中に建設された「みやこ学園」。理事長と施設長を兼ねるのは伊志嶺博司さん。現在利用者は六十五人。室内作業・園芸・出向・食品の四班に分かれ、それぞれの仕事をこなす。中でも、園芸と出向班は公園の清掃を行ったり、花壇の植栽など、地域に出向いて島の環境整備に力を入れている。
 
 職員の送迎で九時までに登園した利用者は、健康・精神状態をチェックされたあと、ラジオ体操、それから各班に分かれ仕事につく。室内作業班はビーズ製品やミサンガ、咲織りなどの手工芸、食品班は、分場「あだなす」でパンづくり、出向班は公園や広場の清掃、花壇植栽など自立を目指し、働くことの楽しさや喜びを味わうことを目的としている。
 
 中でも、出向班は、草花の育苗係、土づくり係、花壇植栽係、公園の清掃係に分かれて活動する。島の一大イベント全日本トライアスロン大会に向けた花壇植栽は四カ月前から始まる。種をまき、発芽した苗を一本一本をポットに移す作業など細かい仕事をこなしている。伊志嶺施設長は「それぞれ得意分野があって、効率的に作業にあたっている」と話す。
 利用者の一人は「私たちの植えた花が、ドライバーや通行人を楽しませていると思うと、仕事も楽しくなる」と話し、作業に精出していた。
 
 
「福祉のモデル地区に」理事長・施設長 伊志嶺博司さん(50歳)
 私たちが目指すものは、利用者一人ひとりが主人公であるということ。働く大人同士の関係を基本にするので、職員を「先生」と呼ぶことはしない。利用者を「働く仲間たち」としてとらえ、一般社会と同じような呼び方にする。利用者がいろいろな仕事を経験し、その中で育つことを目指している。そのため職員は彼らを支援、援助にあたる。
 
 私が福祉に関わったのは、姉が知的障害者の施設「あけぼの学園」に入園したことがきっかけだった。小さいころは、姉のためにいじめにあったことも数多くあり、最初、施設に行くのがいやだった。二十歳過ぎに母が亡くなり、代わりに行かなくてはならなくなった。そんな中で家族が職員に遠慮してものが言えない実情があることを知る。家族と職員との溝を埋めるために、「兄弟姉妹の会」を立ち上げ、お互い何でも話せる雰囲気をつくった。
 
 幼いころから障がい者をもつ家族の苦労を見ているので、利用者の親たちに負担を掛けたくないという思いがいつもある。日本には現在親をサポートする制度がない。そのため、年老いても障がい者を抱えている人たちのためにグループホームを造ることにした。六月からは第一号として、運用できる運び。利用者本人が自立し、働く場所と住まいの場所が確保できるように責任をもって、彼らの生活の安定に尽くしたい。
 同じ人間として有意義な人生が送れるように、利用者も家族もサポートしていきたい。将来、宮古島は福祉のモデル地区になることも実現可能。


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