與儀栄功さんに認定証/「森の名手・名人」
国土緑化推進機構が選定する「森の名手・名人」の認定証授与式が9日、県宮古合同庁舎で行われた。宮古から初めて三線製作の與儀栄功さん(75)が「森の伝承・文化」部門で選定され、宮古農林水産振興センターの砂川正幸所長から認定証が授与された。認定証を受け取った與儀さんは「このような素晴らしい賞を受賞することができて本当に感謝している」と笑顔で感想を述べた。
「森の名手・名人」は、国土緑化運動の一環として2002年度から同機構が林野庁や文部科学省、都道府県などと連携して実施している「もりのくに・にっぽん運動」の中で森にかかわる生業で優れた技を極め模範となっている達人を認定している。
同機構が毎年全国で100人を選定。2002年度から09年度までに県からは9人が認定を受けた。
今年度は、全国で81人が選定され、沖縄からは與儀さんを含む3人が選ばれた。
砂川所長は「宮古は文化的に乏しいような感じがあるが、それは埋もれているだけ。こうした文化を発信すれば宮古の新たな側面となり地域の活性化、観光の振興にもなると思う」と話した。
與儀さんは「私はまだまだ未熟で満足する作品はできていない。これからも満足する作品を目指して三線作りをしっかりと続けていきたい」と抱負を述べた。
與儀さんは、29歳から興味で始めた三線製作に強い魅力を感じて現在では三線作りに特化した木工芸に専念。
自ら原材料の選定、製作および販売のほか修理、調整などのアフターケアにも誠実に対応している。
主な活動は平良字下里にある宮古木工芸で行っているが、販売および普及活動は県内にとどまらず、県外で開催される沖縄の物産展等に毎年出店し活動は幅広い。
受賞歴は、1999年に離島フェアで「組立式三線」部門特別賞。2002年の同フェアで島おこし奨励賞を受賞している。