依存症からの回復に決意/宮古断酒会20周年大会
誓い、体験談など発表
宮古断酒会20周年記念大会が10日、宮古福祉保健所で開かれた。会員や家族らが参加し節目を祝うとともに、アルコール依存症からの回復へ決意を新たにした。同会は1991年に、保健所が主催者となり酒の害に悩む人たちを中心に発足した。
同会は毎月第4金曜日を定例会とし、飲酒による身体的、精神的な悩みなどの語り合いを通して、依存症から抜け出す取り組みや社会に向けての啓発活動を行っている。
記念大会では会員が「私たちは自分を改革する努力をし、新しい人生を作ります」などとした誓いを発表。家族は「酒害を正しく理解し、互いに協力して心の健康を回復します」と決意を示した。
体験発表では2人の女性会員が登壇。アルコール依存症になり、家族や周囲の人たちに迷惑を掛けたり、自己嫌悪や自己否定に陥りリストカットなどの自傷行為の繰り返しだったことを振り返った。
その上で「もう酒で仲間を失いたくない」という強い決意で断酒に臨むことや、「今まで迷惑を掛けた人たちに償いたい」と前向きに生きていくことなどを強調し、これまで以上に回復への取り組みに前進していくことを発表した。
記念講演で糸満晴明病院地域医療相談室の岡田拓也さんは「飲酒を続けると思考は変化し、さらに飲酒を続けられるよう感情が刺激される。これは非常に強力で自動的なプロセス。断酒を継続するには、思考から行動への流れを自分でコントロールできるようにする必要がある」と呼び掛けた。
あいさつした宮古断酒会の田名茂男会長は、会員や家族、保健所のスタッフに支えられてさまざまな交流を行っていことを紹介。今後とも各種取り組みを通して会の発展に尽くしていきたいと決意を述べた。
県断酒連合会や宮古島市、宮古病院などの関係機関の代表らが出席し祝辞を寄せた。