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社会・全般
2019年10月8日(火)8:56

【行雲流水】サシバ

 寒露の節気。サシバがやって来る。その精悍(せいかん)な姿や飛翔の美しさが人を魅了する。また、小さな身体で海山を越えて壮大な渡りをするけなげさが感情移入を誘う


 ▼その昔、運動会や体育祭の練習をしている生徒たちの頭上でタカ(サシバ)の大群が舞っていた。子どもたちは歌っていた。「タカドーイ、デンゴ/ウワガヤーヤンザガ/タラマヌパイカターンドゥ/ヤーユツゥフィビジュウ」(タカよ、あなたの家はどこだ。―多良間の南の方で、家をつくって座っているよ)

 ▼久貝勝盛氏の調査によるとサシバに関する歌は宮古各地で独自に作られ、歌われていた。いかに住民の生活と深く関わっていたかを示すものである

 ▼ところで、サシバを渡りの衝動にかきたてるのは何万年もの間にDNAに刻まれた生きる戦略であろう。従ってサシバにとって渡りをすることは生きることそのものである。だから、大空に華麗に舞い、描くのは「生命の賛歌」である。上へ上へと上昇する鷹柱はカオス(混沌)からの昇華である。島で休むと羽づくろいをして、明日の旅に備える。はるかな行く手には雨風もあるが虹が出る

 ▼人々に親しまれてきたサシバであるが、現在絶滅危惧種に指定されており、その保護が重要な課題になっている。日本自然保護協会主催で「国際サシバサミット」が今年は繁殖地の栃木県市貝町で、来年は中継地の宮古島市で、再来年は越冬地のフィリピンのルソン島で開催され、サシバの保護とその未来について協議される

 ▼サシバよ、永遠に愛されてあれ。(空)


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