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社会・全般
2019年6月21日(金)8:59

傾斜40度、高い石工技術/来間島「パチャの石段」

昔は生活道路で利用/陸上競技の練習場所にも


「パチャの石段」を上り下りし当時の生活に思いをはせた「がんじゅうあたらす会」代表の来間さん(左)ら=17日、来間島

「パチャの石段」を上り下りし当時の生活に思いをはせた「がんじゅうあたらす会」代表の来間さん(左)ら=17日、来間島

 来間島集落の東端に位置し、「パチャ(端)の石段」と呼ばれる急勾配の坂道でこのほど、島出身のお年寄りたちが石段を上り下りし当時の暮らしに思いをはせた。最大傾斜角度は40度以上。昔は子供からお年寄りまでが荷物を担いで上り下りした生活道路だった。また、陸上競技シーズンには、青年会のメンバーらがトレーニングする場所として知られていた。現在はほとんど使用されていないが、石工技術が高い歴史的に貴重な石段として注目されている。

 市教育委員会は地元の要望を受け、2016年10月~17年3月末にかけ石段の復元工事を実施。急な坂道であることから片側にステンレス製の手すりも設置した。

 当時のことを思い出しながら「パチャの石段」を上り下りし、故郷を再発見したのは来間島出身者でつくる「がんじゅうあたらす会」(来間正博代表)のメンバー。

 代表の来間さん(64)は「小学生の時の学校給食用のパンは船(連絡船)が対岸の宮古本島から運んでいた。船が入ると、坂道を下りてパンを受け取り、また坂道を上って学校に運んだ」と懐かしんだ。

 「坂道の往復はきついとは思わなかった。給食でパンが食べられると思うととても楽しかった」と笑顔を見せた。

 参加したお年寄りたちは、当時のことを鮮明によみがえらせてくれた石段に感慨深げ。修復と手すりを設置してくれた市教委に感謝するとともに、地元の遺産、または新たな観光地として注目を浴びることに期待を寄せた。

 「パチャの石段」は断崖の頂上が入り口で、眼下に青い海が広がる。数百メートルに及ぶ坂道は直線ではなく、来間漁港へ向かって曲がり、頂上からは緑にも覆われて全体の坂道は確認できない。

 説明板には「1980年ごろまで来間小・中学校の児童・生徒や青年会が陸上競技シーズンにトレーニングを積んで足腰を鍛えた石段。その成果は『来間の選手はバネが有り優秀な選手が多い』と称賛されていた」と記されている。

 市教委は市の有形民俗文化財指定候補としてリストアップしている。


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