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産業・経済
2013年4月4日(木)9:00

5年で153㌶解消/放棄地率3%と低水準

市農業委員会 調査事業効奏す


放棄地から観光農園へと再生が進む=3日、下地地区

放棄地から観光農園へと再生が進む=3日、下地地区

 市農業委員会(野崎達男会長)は、2008年度から農地の利用状況を調査する事業を進め、12年度までの5年間に、153㌶の耕作放棄地を解消した。今年1月現在の耕作放棄地率は、全国平均の10%超(10年農業センサス)と比べかなり低い約3%で、面積は339㌶に減少。農業委員や事務局職員、農地確認調査員一体となった取り組みが効を奏した。


 耕作放棄地の解消事業は、「農地の適正かつ効率的な利用」による国内食料自給率の向上を目的とする。

 調査事業がスタートした08年同委員会は、農業委員や調査員を含め述べ620人を動員し、475㌶の放棄地を確認した。同データに基づき、農業委員が指導を行い、同年度は11・7㌶を再生した。

 耕作放棄地は、過去1年以上作物を栽培していない土地などを指す。09年の改正農地法は、地主に放棄地にしないことを義務付けた。

 同委員会は改正農地法を踏まえ、12年度には放棄地の地主1360人に「指導通知」を送付。同文書には「(法律に基づき)農地として耕作されるよう現場または、電話にて指導する」などと明記した。

 効果はてきめんで、一気に26㌶を解消した。同年は、耕作放棄から4、50年経って大きな木も立ち原野化した畑をよみがえらせる補助事業の分も含め、30・6㌶を解消した。法律に踏み込む通知に、地主からは問い合わせの電話が殺到したという。

 年度別の解消面積は08年11・7㌶、09年33・4㌶、10年39・0㌶、11年38・8㌶、12年30・6㌶。農業委員会の仲間毅事務局次長は「放棄地の解消は、担い手への農地集積や農地の流動化にも結び付いている」と、効果が多面的に及んでいることを強調する。


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