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行雲流水
2018年11月1日(木)8:54

【行雲流水】(チャイナ・マネー)

 〝サラ金〟が社会問題になったのは一昔前。返済能力を超えた借金で〝首が回らなく〟なり、自己破産申告に追い込まれるケースが多発した。今、〝国家間のサラ金問題〟ともいうべき現象が起こっている


▼貧乏国への中国の積極的な援助攻勢が背景にある。鉄道、港湾、空港などを整備して経済発展を図りたい発展途上国へ、中国は巨大経済圏構想「一帯一路」を打ち出して気前よく資金を貸与している

▼スリランカは借款返済のメドが立たず、せっかく整備した港湾の管理権を中国に譲渡した。マレーシアは中国主導で高速縦断鉄道を建設中だが、マハティール元首相は歳の老骨にむち打って総選挙を勝ち抜き、政権を奪還。訪中して、計画中止を申し入れた。アフリカ諸国に対する中国の借款供与も、鉱物資源の開発権取得が狙いだといわれている

▼国の指導者が財政の将来像を甘く描いて、目前の政権維持に汲々としていると危うい。ギリシャは中国の財政支援を得て小康状態を保っている。フィリピンは中国主導のミンダナオ開発計画を受け入れようとしている

▼日中間の民間取引は野放し状態だったが、ようやく今年から銀行のチェック体制が強化された。だが、日本人名義のチャイナ・マネーは、やぶの中だ。個人名義の不動産取引等については資金の流れに留意したいものだ

▼ふり返れば、尖閣諸島は個人名義の私有地だった。これをチャイナ・マネーで買い取られていたら、〝あとの祭り〟だっだ。一足先に国有化したことは先見の明があったと言えそうだ。(柳)

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