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【特集】新年号
2021年1月1日(金)8:50

伊良部

「感謝」を胸に最後の春/伊良部高校
笑顔と共に有終の美へ/4月、38年の歴史に幕


有終の美に向け、残りの時間を笑顔で過ごす生徒と学校関係者の皆さん

有終の美に向け、残りの時間を笑顔で過ごす生徒と学校関係者の皆さん

 「バレーボール部の島・伊良部」を県内外に強烈に印象付けた伊良部高校。その歴史が今年4月に幕を下ろす。これまでバレーボール部は全国大会に合計6回出場するなど、学校の歴史にさんぜんと輝く実績を残した。島民に見守られ、愛されて多くの卒業生を排出した同校。最後の春には5人の卒業生が学びやを巣立つ。今、学校内では、生徒と教諭らが笑顔の日々を送っており、3月予定の閉校式では笑顔で有終の美を飾る予定だ。

 同校のバレーボール部は、春高バレーに2回、全国高校総体に4回の合計6回の全国大会出場を果たし、2004年の総体ではベスト16に進出するなど島民を喜ばせた。

 そのほかにも文化、スポーツなど各方面でも活躍する島の子供たちを地域全体で見守ってきた。

 同校の廃校は、昨年の県議会9月定例会で同高校の廃止などを決める条例一部改正案が全会一致で原案可決され、正式に決定。

 島民の中には「寂しい」との声も聞かれていたが、昨年11月には最後の生徒会祭「Thanks I Love(イラブ)伊高謝恩駅伝」が開催され、島全体で盛り上がった。

 この駅伝は、同校を発着点とする約19㌔のコースで行われた。今年卒業する5人の在校生と、同窓生が母校と地域への「感謝」の気持ちを胸に、38区間で笑顔のたすきをつないだ。

 その時の閉会式で、大宮廣子校長は「改めて地域に対して感謝の気持ちが強くなった。在校生の皆さんは今後、同窓会として母校の伝統と歴史を後世までつないでいってほしい」と呼び掛けた。

 在校生5人が巣立てば同校を巣立った人数は2175人となる。今後は島の高校で学んだ卒業生たちがその伝統と誇りを胸に各分野で活躍することに期待が高まっている。

 最後の生徒会長となる 濱川快吏さんは「廃校は寂しいが、先輩たちが歴史を築いた伊良部高校の最後の生徒になれて良かった。同級生は5人だけだったが先生や地域の人たちの支えが心強かった。残りの高校生活も楽しみたい」と笑顔で話した。

 同校は、1984年に宮古高校伊良部分校として開校。86年に伊良部高校として独立し、昨年で創立37周年を迎えた。

 21年3月6日に予定する第35回卒業式では、最後の卒業生となる濱川さん、佐久川美緒さん、島袋憲璃加さん、手登根華恋さん、仲間成南さんの5人が思い出の詰まった学びやを巣立つ。また、式後には閉校式も予定している。

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