シルバーライフを豊かに/宮古島市の老人福祉事業
福祉事業の活用で快適な暮らし
15日からスタートした「老人福祉週間」にちなみ、16日は「敬老の日」の祝日となった。各地で敬老会が催され、会場は元気なお年寄りの声と笑顔であふれた。8月現在で宮古島市の70歳以上の高齢者は1万167人。その内、男性が4、284人、女性が5、883人。100歳以上も63人(男性9人、女性54人)と年々増える。とはいえ、一人暮らしの数も3、731人で、思うように生活できない人たちも多くなった。宮古島市介護長寿課(友利義雄課長)では、市独自のさまざまな老人福祉の事業を行い、対象者が快適な暮らしを営めるよう広報などで呼び掛ける。
外に出て交流したい/「生きいき教室」など
各地域に支所をもつ宮古島市社会福祉協議会が開設する「生きいき教室」。対象者は、要支援・要介護認定を受けていない高齢者で、家に閉じこもりがちな人たち。この教室は、運動機能や栄養状態、口腔状態を改善、向上させ、うつ・認知症の防止などにも役立っている。事業所によっては、送迎、入浴なども可能。
市内の各支所で行われる生きいき教室は月2回。城辺支所では、学区に分けて水曜日と金曜日に行っている。18日は城辺地区が行われ、カレンダー作りや生きいき体操などが行われた。90歳以上のお年寄りも多く、職員のリードで元気に手足を動かしていた。加治道から毎回参加する砂川マツカマさんは102歳。一人暮らし。カレンダーに色塗りをしたり、体操では、名前を呼ばれて「居ないよー」などと茶目っ気ぶりを発揮していた。
バランスの良い食事を取りたい
食事作りが困難で、近くに親族や食事を提供する人がいない65歳以上が対象で、「食の自立支援事業」として週2日、昼食を提供、配達する。栄養士の作成した献立の弁当で、高齢者の自宅を訪問するので、安否確認にもなり、離れて暮らす子どもたちにも喜ばれている。弁当は、1食300円から400円で、チケット制。
食事は、市社会福祉協議会の城辺支所で作り、各支所に配達している。そこから配食担当が一人暮らし宅に届ける。担当職員の饒平名早織さんは「弁当を配るというだけでなく、見守りも兼ねている。先日も、前の晩にトイレで転んで翌日弁当を届けに行くまで動けないでいた」と話し、高齢者の安否確認にもなっている。
散髪に行くことが困難
理・美容院に出向くことが困難な高齢者に対し「訪問理・美容サービス事業」が行われている。65歳以上の寝たきり高齢者や重度の身体の障がいのある人たちが対象。年6回以内で料金(1回1,500円)は利用者が負担。理・美容師などの出張に関わる費用は市が負担する。市の指定する理・美容院があり、指定された高齢者の家に出向いている。
軽い家事援助をしてほしい
65歳以上の一人暮らしや高齢者のみの世帯で、普段の生活に支障がある人のために「軽度生活援助事業」がある。自立した生活が送れるよう、簡単な日常生活の手伝いをする。
病院などに行きたいが交通が不便
非課税世帯で、乗り物のない高齢者に「外出支援タクシー利用助成事業」がある。タクシーを利用する場合に利用券を配布し、料金の一部を援助する。要介護認定を受けていない高齢者に限るが、要支援1・2は利用できる。月2回までの利用で、往復500円。
万が一のことを考えると
在宅の一人暮らし老人などの急病または事故などの緊急時に迅速な対応ができるよう「緊急通報システム」を利用者宅に設置し日常生活の安全の確保と不安の解消を図る。
電話を設置したい
日常生活用具としての「老人用電話」の給付、貸与を行う。対象者は65歳以上の低所得者で一人暮らしの高齢者。
問い合わせは、市介護長寿課(電話73・1964)まで。