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美ぎ島net
2013年12月29日(日)8:55

身近になった獅子文化/街中のシーサーたち

それぞれに歴史やエピソードが


海鮮酒家「中山本店」入り口(雌)

海鮮酒家「中山本店」入り口(雌)

海鮮酒家「中山本店」入り口(雄)

海鮮酒家「中山本店」入り口(雄)

 今や、シーサー=オキナワというイメージさえあり、優に県民権を得ているシーサー。門の両側には決まって大・中・小のシーサーが鎮座し家を守っている、らしい。スフィンクスや中国の石獅子、日本本土の狛犬などと同じく、源流は古代オリエントのライオンもしくは犬と伝えられている。沖縄県内に見られるシーサーは伝説の獣の像として建物の門や屋根、村落の高台などに据え付けられ、家や人、村に災いをもたらす悪霊を追い払う魔除けの意味をもつ。

 もともとは、単体でも設置されていたものだが、本土の狛犬の様式の影響を受けて阿吽像一対で置かれることが多くなった。阿吽の違いにより雄雌の別があり、おのおの役割があるとする説もあるが、研究文献などにそのような記述は見られず、近年になって創作された俗説である可能性が強いといわれる。それは、口の開いたシーサーが雄で右側に置かれ福を招き入れるとされ、口を閉じたシーサーが雌で左側に置き、あらゆる災難を家に入れないように守っているとされる。

 屋根獅子は瓦ぶきの中央辺りに一つだけ置かれる。庶民に瓦ぶきが許されるようになったのは明治以降のこと。古くは残った漆喰などで大工が独自に造ったといわれ、ユニークな形が多い。それ以前は、寺院や城の門、御嶽、貴族の墓陵、村落の出入り口などに設置されるのみだった。近年ではコンクリートや青銅製のものも増えた。また、最近では観光客を対象に各窯元でシーサー作り体験が盛んとなり庶民にとっても身近なものとなった。

 物言わぬシーサーたちだが、そこにはそれぞれ歴史やエピソードが隠されている。

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