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環境・エコ
2022年6月16日(木)8:59

「鳴き声聞こえない」/ツマグロゼミ

70匹余の羽化確認も沈黙
佐渡山さん 長雨の影響など懸念

 

成虫の姿もなかなか見られず鳴き声も聞かれないツマグロゼミの抜け殻=15日、新里集落内にあるツマグロゼミ増殖施設

成虫の姿もなかなか見られず鳴き声も聞かれないツマグロゼミの抜け殻=15日、新里集落内にあるツマグロゼミ増殖施設

宮古では上野の新里集落など一部地域にしか生息していない市指定の天然記念物ツマグロゼミ。例年この時期はその鳴き声が周辺に響くが、今年はほとんど聞こえないという。さらに、羽化した成虫の姿もなかなか確認できないことからツマグロゼミを見守ってきた関係者から不安の声が上がっている。

同集落内にあるツマグロゼミ増殖施設をボランティアで管理する佐渡山安公さんによると、今年は梅雨の長雨と降水量の影響もあってか羽化する個体が少なく、14日現在で抜け殻を確認しただけでも74個体にとどまっている。

実際に本紙が14日の午前と午後、15日の午前にこの増設施設内で羽化した個体を探したが1匹も見つけることはできず、また羽化した後の抜け殻は2日間で4個しか確認できなかった。

佐渡山さんによると、今年最初に羽化した後の殻が見つかったのは6月2日。「その時には1個しか確認できず、それから1週間ほど確認できなかったが、最近増えてきて14日の段階で74個の殻が見つかった」と説明した。

さらに「ここ数年の発生のピークは5月下旬~6月初旬か、6月初旬から同20日ごろだが、今年は発生が非常に遅れている」と不安を募らせた。

佐渡山さんは「梅雨の長雨も影響していると思う。さらに、その雨により増殖施設内に複数カ所の水たまりが長期間、何度もできて、土の中で羽化直前の幼虫が死んでしまっている可能性もある」と話した。

さらに、鳴き声がほとんど聞こえない状況についても佐渡山さんは「それは近親交配が進んでいる可能性もある。それにより繁殖能力が弱まっているかもしれない。生殖機能が退化していると今後の増殖が難しくなる。現状について研究者を交えて調査した上で、繁殖計画を進める必要がある」と訴えた。

ツマグロゼミ 体色は青緑色、オレンジ色、その2色の中間色の3タイプがある。全長は最大4㌢ほどの小型の美しいセミ。
宮古島が日本の分布の北限とされ、現在は上野新里や城辺砂川など、限られた区域だけに生息している。環境省レッドデータブックでは、絶滅の恐れがある地域個体群に指定されている。


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