伊良部地区 乗合タクシーを実証運行/市公共交通会議
12月から2カ月半実施/課題把握し本格運用検討
伊良部地区で乗り合いタクシーの実証運行が12月中旬から行われる。市地域公共交通会議(会長・伊川秀樹副市長)が10日、市役所で開かれ、関係機関が合意。送迎は伊良部島と下地島に設置する計44カ所の停留所で行う。伊良部島から平良への運行は午後6時以降に限定され、停留所は市公設市場前のみ。2カ月半かけて課題やニーズを把握し、今後の本格運用を検討する。
伊良部島内の市民からはタクシーの拡充を望む声は多く、高齢化によって日常生活における移動手段の確保が重要な課題。下地島空港から伊良部島内に既存バス路線を補完する機能と、平良市街へのアクセス向上に対応するため実証運行を実施する。
島内のタクシー会社、開発タクシーとAZリゾートサービスの2社が協力し、運行にはジャンボタクシーを活用する。期間は12月15日~来年2月28日までを予定している。
運行時間は午前10時~午後10時(最終乗車は同9時30分)。運賃は伊良部島内が500円、伊良部─平良は1000円となる。支払いは現金、予約はインターネットか電話で行う。
伊良部島から平良への運行に時間制限がある理由は、既存の路線バスに影響がないよう配慮したため。最終バスが発車後に午後6時以降の運行となっている。
会議では、現在運行中の観光循環バス(宮古島ループバス)自走化実証事業の冬季ルートおよびダイヤの変更も了承された。冬季に利用者が減る吉野海岸がルートから外される。
ループバスは、9月末時点で1万5164人が利用し、1日平均では316人。昨年の3倍に増加していることが報告された。
伊川会長は「今後も増加が見込まれる観光需要に対応しながら、市民の移動手段をしっかりと確保することを踏まえた取り組み。市の課題である公共交通不足解消に寄与するものと考えている」と語った。