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社会・全般
2019年12月1日(日)8:59

稲石の功績たたえる/稲石祭

関係者集い継承誓う/宮古上布の価値再確認


子孫とされる洲鎌ツルさんほか関係者多数が稲石の功績を顕彰した=30日、市伝統工芸品センター

子孫とされる洲鎌ツルさんほか関係者多数が稲石の功績を顕彰した=30日、市伝統工芸品センター

 宮古上布の創始者である稲石刀自の功績を顕彰する神事「稲石祭」(主催・宮古織物事業協同組合)が30日午後、市伝統工芸品センターで行われた。組合員のほか官公庁などから関係者約50人が参加し、深い祈りをささげながら宮古上布の継承と発展を誓い合った。

 1583年、稲石が「綾錆布」(あやさびふ)を創製し、琉球王国に献上したことが宮古上布の始まりとされる。これをきっかけに宮古の織物は王府内に知れ渡り、稲石は上布の世界で最も有名な女性として後世まで語り継がれてきた。稲石祭はこの功績をたたえるために開かれている。

 宮古神社の奥間寛次神主による祭事では、参加者が玉串奉てんを行い、上布継承の決意を新たにした。

 祭事後、組合代表理事の長濱政治副市長は「宮古上布が宮古島の経済をいかに潤してきたか」と述べ、上布がもたらした地域振興の大きさと稲石の功績を強調した。その上で、「出来が良すぎて人頭税という過酷な歴史の一面もある。しかし宮古上布は綿々と受け継がれ、誰からも喜ばれる織物となった。私たちはこれからも自信と誇りを持って宮古上布を継承し、発展させていく」と決意した。

 下地敏彦市長(代読)はその類いまれな製織技術などから生産され続ける宮古上布の品質を誇り、「市としても、日本を代表する宮古上布の生産振興を重視している」と述べ、新たな商品開発や販路の拡大に取り組む意欲を示した。

 県宮古事務所の稲福具実所長は「上布の持つ文化的価値の継承はもとより、増加する国内外の観光客への周知浸透を図り、新たな付加価値を取り入れるなど時代の変化にも積極的に対応してほしい」と期待し、県としての支援を約束した。

 稲石の子孫とされる洲鎌ツルさん(89)も神事に参加して顕彰。「祭りなどで宮古上布をもっと広めてPRしたい。地域の人に着てほしい」と話し、上布の価値を地域全体で共有することの重要性を説いた。

 宮古上布は1975年に伝統的工芸品に指定。78年は国の重要無形文化財、2003年には糸績(う)みの技術が国選定保存技術に選定された。その価値は広く認知されており、内外で需要はある。ただ、後継者不足などで供給が追い付かないという課題もある。



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