し尿処理 現行問題点を洗い出し/影響調査実施を要請
検証後に改善点提案へ/浄化槽清掃業者
市内の浄化槽清掃業者らが15日、市役所に座喜味一幸市長を訪ね、し尿を希釈して下水道施設に投入する現在の処理方法の問題点を検証するための影響調査実施を要請した。調査は公募のメーカーが行うとしており、8月後半の実施を求めている。調査結果を検証し、市に改善案を提案する。申し出に対し、市は施設の管理業者と調整しながら、実施の可否を判断するとしている。
市には、し尿処理施設がなく希釈して下水道の浄水施設に投入する方式で処理している。市内には市が許可した浄化槽清掃業者が11社あり、うち9社が連名で調査実施を要請した。
市は現在、伊良部佐和田で進めていた新しいし尿処理施設の整備計画を見直している。座喜味市長が計画を見直していることについて、9社は「見直しを全面的に支持する。今後も断固として現計画に反対していく」と表明した。
9社は計画見直しが下水道と集落排水、し尿の共同処理の方向であることなどを踏まえ、現在、使われているし尿を希釈する投入施設と下水道の終末処理施設で実証実験を行うことで、将来の共同化の効率的運用が期待できるとしている。9社は浄化槽から回収するし尿などに台所から混入する廃油脂固形物が浄水施設の機能に影響を与え、正常運転を妨げているとみている。そのため、問題点を見つけ出し、専門業者として改善点を提案するという。
要請を受けた座喜味市長は計画見直しについて「宮古が将来発展していく上で自然環境を守らないといけない。下水がしっかり処理できなければ命の水も保全できない、今後の下水道計画が大きな意味を持つ。今検討して将来を見通さなければ、保全できない」とした上で「市民負担、合理的な下水処理方法、事業者負担を検討しておかなければならない。今の計画が事業者、市民の意見が反映されているか、技術的に妥当かということを検討している。現場の声が一番大事。決まったことを見直すということは大変だが、今回、根本的な点を検討するという形になった。アドバイスを聞き、技術的な現場の声を聞きながら、将来を見越した見直しにしたい」と説明した。影響調査については「協力して頂ければありがたい」と前向きに応じた。