下地代表 「映画の灯守りたい」/シネマパニック宮古島
デジタル化へ募金呼び掛け/目標1000万円、市民の協力を
宮古島で唯一の映画館シネマパニック宮古島代表の下地昌伸さんは10日、記者会見し、上映設備のデジタル化導入への募金を呼び掛けた。映画上映がフィルムからデジタルへ移行しており、このままではフィルムでの上映が不可能になり映画館を閉鎖せざるを得ない状況を説明し、市民に協力を求めた。募金目標は1000万円で、10日から来年3月31日まで実施。コンビニや飲食店など100カ所に募金箱を設置する。
宮古島市と人口がほぼ同規模の岩手県宮古市にある映画館も同様な状況にあったが、市民らが立ち上がり1500万円を超える募金が集まり閉館を逃れたという。
下地さんは「『有限会社に募金なんて』という意見もある。私のこれまでの努力が足りなかったという事にも原因があるが、デジタル化が導入できれば市民の手による運営を目指していきたい」と述べ、短時間の企業への賃貸や子供、お年寄りを中心にした鑑賞会など市民が使いやすい映画館にしたい方針だ。
デジタル化への募金は機材購入費や工事費および長期保守契約などで1000万円が必要という。
導入すれば、フィルムとは違い質の高い映像と音響のほか、これまで順番待ちが発生していた話題の映画も比較的早く作品を取り寄せることができるという。立体的な映像(3D)での上映も可能になる。
下地さんは「皆さんからの募金は映画館が預かり、活用させてもらえるという趣旨で取り組みたい。幅広いを意見を聞きながら魅力ある空間を提供していきたい」と話した。
デジタル化は来年4月からの予定だが、期間中はフィルム上映を続けながら、映画監督など映画に関わる著名人を招いてのイベントなどで機運を盛り上げていく予定。
同館の前身は宮古国映館で、一度閉館されたが下地さんが2005年8月6日に現在の名称で開館させた。
翌年には年間1万8000人余の入場者数だったが、レンタルビデオやDVDの普及などを背景に年々減少。今年は10月末で4231人と過去最低で推移している。
下地さんは「お客さんが少ないから、経営が厳しいからといって、今映画館をやめるわけにはいかない。日本最南端の映画館を残すためにも協力をお願いしたい」と話した。
募金についての問い合わせはシネマパニック宮古島(電話75・3215)まで。