給水機破壊相次ぐ/被害6機、今月に集中
かん水時期狙い現金盗む/昨年は14機が被害に
改良区、停止や閉鎖検討
農業用給水施設のコイン式自動給水システムが破壊され、中の現金が盗まれる被害が相次いでいる。これまでに6機が壊され、うち3機はかん水作業が始まった10月に壊された。昨年も14機が被害に遭った。管理する宮古土地改良区によると、修理は1機約50万円かかることから、給水停止や閉鎖を検討している。警察に被害届けを出すとともに夜間パトロールも実施し、不審者の情報提供を呼び掛けている。
この施設は、干ばつ時に農家が臨時にサトウキビにかん水するために設置された。ボックス型の給水システムに、10円玉を入れると500㍑の水が出る。
給水所周辺はほとんどが畑で、夜には人影はまったく見られない。防犯対策もされていないことから、不審者が侵入しても気付きにくい。
同件については昨年9月に窃盗未遂容疑で無職の男が現行犯逮捕された。今年起こった6件の事件の犯人は逮捕されていない。
被害状況は南京錠で施錠されている部分を工具のような物で壊し、中の現金を盗んだり、地面に固定してあるボルトを外し倒されたものもあるという。
昨年の被害件数は▽平良3件▽城辺10件▽下地1件-の計14件。
今年は▽平良4件▽城辺1件▽下地1件-の計6件。
10月に3件と集中していることについて土地改良区では「少雨でキビの被害が出始め、給水の利用が増えると思ったからではないか」と話している。コインを入れるボックスには多い時で2000円程度の現金が入っているという。
土地改良区では、被害に遭った給水所の周辺がほ場整備されていない箇所については「農家の利用が多い」として復旧した。
しかし、被害に遭った給水所周辺がほ場整備されている場合であれば、修理せずに給水を停止する措置を取っている。
農家には現状を理解してもらい、近くにある給水所の利用を呼び掛けている。
土地改良区では被害の未然防止に向け、地域で管理する方法や給水所の利用を現金ではなくカード式にするなど検討している。