正面玄関に強風/宮古病院
車のドア開閉が危険/利用者「事故前に対策を」
宮古病院の正面玄関前を強風が吹き抜け、車で乗り降りする利用者から「車のドアを軽く開けたつもりが、強風にあおられて全開になった。開閉にはかなりの力が必要で、高齢者や病人には危険」と対策を求める声が上がっている。病院によると、これまでに強風の影響でけが人や事故はない。
宮古病院は昨年6月に開院した。正面玄関は利用者の出入口のほか、隣接してタクシーやバス乗り場がある。
2階部分が張り出した造りで、風が通り抜けるようになっており、高層ビル周辺に吹く強い風、いわゆる「ビル風」も重なってか、台風時や冬季などは強風に見舞われる。
定期的に病院に通っているという80代男性は「運転席のドアを開けた瞬間、大きく開きびっくりした。隣を車が走っていたら、ぶつかっていたかもしれない」と話した。
複数のタクシー運転手も実感しており「強風の時はドアの開け閉めには注意している」と語った。
50代男性は「ドアの開け閉めは、外より車内からの方が力が入る。開けた途端に強風がドアを直撃した場合はとても危険」と指摘した。
病院も把握しており、風の強い日は職員が誘導しているという。
開院当時、救急搬入口に同じように強風が吹き込んでいたため、入り口前方にコンクリート構造物の風よけを造った。
同病院の川満勝也事務部長は「設計事務所と相談している。強風のためしっかりとした構造物が必要だが、今のところ良いアイデアが出てこない」と説明している。
正面玄関は1日に約1000人が利用するほか、一般車両、タクシー、バス乗り場で、構造物の設置は利用者や車両の通行などに支障を来す恐れがある。
小さな構造物を数カ所に設ける方法や巨大植木の設置など、複数案は出ているが、安全性や耐久性、美観性に優れた有効な対策が見い出されていないという。
川満事務部長は「建物は造ったが、それで完成というものではない。市民から病院に対してさまざまな要望があれば、改善に向け努力していく」と理解を求めている。