水中遺跡を事前調査/多良間村
オランダ文化遺産庁など/ダイビングで確認
【多良間】多良間島西側の海域で遭難したオランダ商船「ファン・ボッセ号」に関する遺跡調査が23日、行われた。今年11月に実施する調査の事前協議を行うため、オランダ文化遺産庁海事文化遺産局長らがダイビング調査を実施した。
水中調査に当たった、同文化遺産局のマータイン・マンダース局長のほか、琉球大学の池田栄史さん、九州国立博物館の佐々木蘭貞さん、東海大学の木村淳さんらが24日、伊良皆光夫村長を訪ね、事前調査の報告も兼ね、これからどのような形で水中遺産を残すかについて話し合った。
マンダース局長らは「沈没したと思われる海域に潜り、現状の把握を試みた。今後、村史やオランダの資料、村民に沈没した当時の日記などの提供を呼びかけ、ファン・ボッセ号が当時どのような状況で遭難したかなどをまとめる取り組みを進めたい。この水中遺産をオランダと多良間島の共有文化遺産として残すことで、お互いの絆、文化などの交流を目指していきたい」と述べた。
また、初めて多良間島に来島し、海に潜ったマンダース局長は「多良間島の海はすごくきれい。これから色々な形でファン・ボッセ号について解明できればいい」と話した。
また伊良皆村長は「ファン・ボッセ号」と分かったのも約20年も前のこと。船がその後どうなったのか。色々解明しないと分からないが、オランダと多良間島の新しいつながりをもつきっかけになれば良い」と話した。
次回の調査は11月を予定しており、村は船が座礁した当時の日記や書類等、また、記憶に残っている人たちへの協力を求めている。
海底に沈んでいるこれらの鉄製の箱、磁器皿などの水中遺跡調査は、九州国立博物館が15年10月に、水中ロボットを使い実施している。