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産業・経済
2017年4月26日(水)9:07

子牛削蹄率53%/前年度比21ポイント上昇

16年度実績 農家の意識が向上


農家の意識が向上し子牛の削蹄率が上昇している(資料写真)

農家の意識が向上し子牛の削蹄率が上昇している(資料写真)

 競り上場前の子牛の削蹄率が上昇している。JAおきなわ宮古家畜市場における2016年度の平均削蹄率は52・7%。前年度と比べて20・9ポイントの伸び率を示しており、繁殖農家の意識の向上が数字で見て取れる。ただ、県牛削蹄師会宮古支部は「まだ低い」と厳しく評価。伊江島や八重山の黒島と同様、削蹄100%を最終目標に掲げる。

 削蹄は、重要な飼養管理技術の一つ。安定した姿勢と歩行を確保する上で欠かせない。姿勢が悪くなると餌の食い込みにも影響するため、子牛を買い付けて肥育する購買者は削蹄の徹底を強く求めている。

 上場前の削蹄はマナーともされ、本土の素牛市場においては常識の範囲。削蹄していない方が珍しい。

 一方の沖縄県内は、伊江島と黒島が事実上100%の削蹄率を誇る。伊江島の競りでは、仮に未削蹄の牛が上場されても、購買者が買い付けた後、強制的に削蹄する。費用は上場した農家が負担する仕組みだ。

 そのほかの市場は20~80%で推移してきたが、宮古市場の14年度の削蹄率は12%台と県内最低だった。

 このような状況を改善しようと、削蹄師会宮古支部をはじめ県農業共済組合宮古支所、JA地区本部、市が15年度から削蹄普及運動を展開。関係各所に横断幕やのぼりを設置して繁殖農家の意識向上を図った。20年ぶりに実施した削蹄師の試験も機運を高めた。

 運動開始直後から競りの削蹄率は上昇に転じた。昨年9月は20%台、10月には39%、12月には50%に到達している。今年に入っても毎月40%以上の削蹄率を確保し、年間平均52・7%と上場牛の半数を超えた。

 削蹄師会宮古支部の下地範昭支部長は「宮古地区の和牛産業は、まだまだ成長すると考えている」とした上で「削蹄は産地を支える大切なマナー」と話し、削蹄率の一層の上昇が不可欠との考えを示した。

 また、「子牛は50%まで上がったが成牛の削蹄はまだまだ低い」と指摘。母牛の未削蹄は分娩にも影響するとし、成牛の削蹄率向上も課題の一つに挙げた。

 削蹄の料金は子牛3000円、成牛3500円。半額補助のヘルパー事業を活用(共済加入が条件)すれば子牛1389円、成牛1620円で削蹄できる。

 問い合わせは、県牛削蹄師会宮古支部事務局(電話72・4724)まで。


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