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教育・文化
2024年3月31日(日)8:59

「ランドセル限定ではない」/入学児童通学用カバン

市教委、保護者らに選択自由周知へ

 

今年の卒業生が6年間背負って登下校したランドセル。写真左が男子児童、右が女子児童のランドセル。両方とも6年間使ったことを感じさせない保存状態で品質の良さと丈夫さを物語っている。

今年の卒業生が6年間背負って登下校したランドセル。写真左が男子児童、右が女子児童のランドセル。両方とも6年間使ったことを感じさせない保存状態で品質の良さと丈夫さを物語っている。

27日に閉会した市議会3月定例会の一般質問では、複数の市議から小学校入学時の通学用カバンについて、値段が高騰化する「ランドセル」の購入支援や他のカバンを選択することについての質問が相次いだ。これに対して市教育委員会は「ランドセル」に限定しておらず、選択は自由であることを説明。今後、改めて保護者、学校などに選択の自由を周知していく方針だ。新入学児童が持つ通学用カバンは今後「画一性」から「多様性」へと変化していきそうだ。

「画一性」から「多様性」へ

■ 負担

小学校の入学準備で誰もが最初に思い起こすのがランドセルの購入だ。20年ほど前は平均3万円程度だったが、現在では物価の上昇などもあり5~6万円程度となっている。

そうした背景もあって、経済的に厳しい一人親世帯などにとっては購入費用が大きな負担となっている。

市議会3月定例会でも複数の市議がランドセルを巡って「無償配布の可能性」「ランドセル以外も認めるべき」などの質問が出された。

これに対して大城裕子教育長は「ランドセルが慣例となってはいるが、法律上で規定されておらず、市教委としても、それに限定はしていない」と説明した。

■ 自由

親の世代も祖父母の時代も、小学校に入学したらランドセルで登校することが当たり前だった。

その「当たり前」が、実はただの慣例でランドセルに限定されておらず、他を選択する自由もあることが市議会で改めて示された。

一方で、市内の一部小学校における入学説明会においては、準備する物の一つとしてランドセルが明記されるなど、誤解を招く記載もあった。

大城教育長は「これまで周知が十分ではなく『ランドセルでないといけない』という思い込みがあったが、校長連絡会で周知するなど改めて保護者への周知を図っていきたい」と述べた。

さらに、購入費の補助についても「新1年生の入学費にかかる保護者の経済的負担が大きい状況がみられる。ランドセルも含めた通学用カバン購入費用補助など子育て支援については検討していきたい」との見解を示した。

■ 評価

ランドセルについての意見は、保護者の間でもさまざまだ。「最近は確かに値段が高い」「祖父母から買ってもらわないと厳しい」など、経済的負担となっているようだ。

一方で、今年3月に小学校を卒業した児童の保護者からは「最近のランドセルは、しっかり作られている。6年間使ってもまったく破れたりせずに丈夫」と魅力を強調する。

その上で「6年間何度も買い替えるよりも、最初からランドセルを購入して使った方が結果的に安いと思う」と話す。

その評価は、「高価格だが高品質」というものだった。

■ 多様

これからの時代に欠かせないキーワードの一つに「ダイバーシティ」がある。意味は「多様性」だ。すべての新入学児童がランドセルを背負う光景は、多様性とは正反対の「画一(性)的」ともいえる。

今後、ランドセル以外の通学用カバンを持つ新入学児童が、段々と増えていけばまさに入学時の風景で「多様性」を感じるようになるかもしれない。

時代が大きく変化していく中においても、変わらない課題は島の社会における新入学児童の安全と安心だ。

そのために重要な要素は、地域社会の「多様な視点」だ。いろいろな角度から子供たちを見守る環境をさらに充実させていくことも島全体に課せられた課題となっている。

(編集部・垣花 尚)


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